こんにちは
中枢神経がやられているそれなぁんです。
そんな私が今回紹介したいのは末梢神経の脱髄疾患であるCIDPです。
末梢だと直接は関係なさそうだが…
私の脊髄炎とは病変の部位が全く異なるが症状に共通点が多いので何か参考になるかも?
CCPDのパターンもあるので一応個人的にマークしているのです。
CIDP(chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy)とは何ぞ?
日本語訳だと「慢性炎症性脱髄性多発神経炎」がよく言われています。
けど呼び名は幾つかあるみたいで、「慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー」とか色々見かけます。
ニューロパチーは末梢神経の炎症のことだからそのままだけどね。
どれも長くて覚える気にならんが、やはり自分と関連付けると不思議と頭に入るものです。
社会福祉法人 恩賜財団 済生会より
この病気は二ヶ月以上に及ぶ慢性、進行性の神経炎が特徴の病気です。
再発寛解型で徐々に悪化していく経過が多いようで、やはりMSやAMと似たような感じがします。
日本には推定数千人くらいいるようです。
中々例が少ない難病です。
勿論これも指定難病でございます。
年齢も幅広く、今のところは発症のメカニズムもわからん。
男性が若干多いらしいが、そこはアトピー性脊髄炎と似ている。
自己抗体の病気は男性が多い傾向にあるのかと一瞬考えたが、NMOとかは圧倒的に女性が多いし関係ないかね。
同じ末梢神経の病気であるギランバレー症候群(GBS)は知ってる人も多いかもしれないが、そこからCIDPに移行することがあるようです。
となるとやはり関係あるようにしか思えんが、謎は多い。
基本的にギランバレー症候群は一過性なのにね?
共通の自己抗体が脱髄を起こしているのだろうか。
これは末梢神経の病気なので脊髄ではなく手足に炎症が発生します。
けれど症状は痺れや感覚鈍麻だったり筋力低下や萎縮、手の震えなど共通点が多いです。
脊髄炎と変わらないレベル。
雑に言えば上流がやられるか下流がやられるかの違いとも言えそうですけど。
私のように頸髄に炎症があると大体同じような部位に症状が出ます。
となると診断が曖昧になることもあるのでは?
そう思われるかもしれんが、その辺は見極めるポイントは幾つかあります。
一番はMRIと末梢神経伝導検査です。
まずは脊髄に病変がないことをMRI検査で確認、そして末梢神経に脱髄があるかどうかを診れば最もシンプルで分かりやすいパターンかと思います。
世の中病変が見えない病気もあるのでそうなるとまた難しいが、基本はこれで判別ができるはずです。
MRIは痛みとかないけど狭いから閉所恐怖症の人はできないし、何よりずっと騒音の中放置されるのは辛いです。
私は流石に慣れましたけどね。
今なら居眠りいけますぞ。
あんなの睡眠用BGMですわ。
対して末梢伝導度検査は手足に電気を流すので、強いのをお見舞いされると結構苦痛です。
自分の手足が活きのいいカツオが如く跳ねる姿は少し面白いです。
あんまりやったことないけど、苦手としている人は多いのでは?
もう一つは反射を診ることです。
例えば膝を器具で叩いて反応を診るやつは皆さんお馴染みかと思いますが…
あれを制御しているのは脊髄なのです。
だからそこをやられている私は、制御が効きにくいということで過敏に反応してしまいます。(亢進)
対して手足等の末端がやられているのであれば、反対に電気信号が脊髄まで伝わりにくいということで反応が鈍かったり消失したりするのです。
勿論これも必ずその通りになるという公式ではありませんが、MRIを使わずとも特定することはできそうです。
お医者さんが問診触診で診断したりする時はやはり反射を重要視しているように思えました。
何も知らなかった私から見れば魔法使いに思えましたとも。
医療はメディカルだけどまるでマジカル!
治療法も似ている
そんなCIDPは治療法も同じようなのばかり。
ステロイドパルスや血漿交換、免疫グロブリン療法と共通点の多さよ!
薬はステロイドを使うならばプレドニンです。
けど薬は種類も多いので異なる所も出てくる。
病気によって一番違いが出る部分と言えそうです。
けどこれだけ共通点多いならば異性ならば好きになっちまいそうだな?
まあ自己免疫性の神経疾患となると大抵の難病は同じような治療法しかないのが現状であり、あまり手がつけられないのが実際のところです。
世知辛いよな~。
見た目では全く分かりませんし、尚理解されることはないでしょう。
よぉ~く分かりますよ。
近年の研究による発展について少し紹介
謎が多い病気だが、少しずつ分かってきていることもある。
自己抗体による作用であることは知られているが、その抗体もかなりの種類が存在しています。
どうやらその自己抗体の種類によって症状の違いや患者の共通点があるようだと分かってきているらしい。
参考文献はこちら
「Guillain–Barré 症候群/慢性炎症性脱髄性多発神経炎の自己抗体 (蛋白抗原)」
緒方英紀
神経治療学 36 (4), 429-433, 2019
抗NF155抗体が陽性のCIDP
いくつか発見された自己抗体のうち、抗NF155抗体によるCIDPについては疾患概念として確率されつつあるようです。
一部分だけ紹介しておきたい。
陽性の確率は数%から多くても20%程度ではあるが、
若年型であり、遠位優位性であり免疫グロブリン療法が効きにくい患者が多いとのこと。
症状は左右対称性である等が書かれています。
治療への抵抗性もあるとなると、自己抗体の検査を行うことは非常に重要であると言える、と述べられています。
しかしこうなると自己抗体の種類によってそれぞれ治療法や経過が異なるとはっきりすれば、もはや「CIDP」といつ単語一つで表すには無理が出てきそうです。
一応同じ病気でも全く違うタイプがあること、そこも非常に厄介ですね。
今紹介したのはほんの一部であり、その他の抗体の例についても書かれています。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnt/36/4/36_429/_pdf
PDFファイルで誰でも見られるので是非読んでいただきたい。
ということで軽くCIDPについて紹介させてもらいました。
今は関係ないと思ってしまうが、もし発症しても症状が似すぎてて気が付かないなんてこともあり得る。
実際、同じ脊髄炎でCIDPも合併してしまったという方を知っています。
ともかく同じ脱髄疾患ならばヒントもありそうだということで引き続き意識しておきたい。
ではまた